日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

1002017/02

天皇の公務負担と退位問題

八十三才になられる天皇は元気ではいらっしゃるが、自らに課せられた責務の遂行には体力的に少し許り自信が無くなられたのでしょう。過日国民に向って天皇としての立場を全うする事の不安を真摯な態度と言葉で表現されました。

この一件を契機に天皇自身の象徴としての地位の進退について国民間で議論すべきと政府は考え、先ずは有識者を選んで憲法、皇室典範に依拠しながら最善の結論を得るよう要請しました。選ばれた人は六人で経済界の長老を除いて五人は皆学者です。

天皇は憲法の下で行う国事行為(総理大臣、最高裁長官の任命、国会の召集等憲法第七条に列記)に始まり、象徴としての公務(国内行幸、海外親善訪問、宮中公的行事等)、更には個人としての行為(宮中祭祀、御用邸滞在等)と大きく分けて三つの活動をされます。確かに憲法が求める国事行為は必然でしょう。しかし二つ目の公務は天皇自身が国民と共にある事を強く求められ実行して来られました。これを続ける事を年齢と共に弱る身体では十分に発揮出来なくなったと発言されたのです。

憲法第五条には「皇室典範の定めるところにより……摂政は、天皇の名で国事に関する行為を行ふ」とありますが、今上天皇に代理として摂政を置けば一件落着なのでしょうか。一企業の社長を誰かが代行するのとはこの場合事の重みが違います。苟も国民統合の象徴たる天皇は国民の総意による存在です。であれば一方で人間天皇の御意を十分理解しつつ、我国の歴史と伝統を表象する天皇、天皇制が更に安定した型で存続するように私達は叡智を絞らねばなりません。

私個人は天皇がある一定の年齢に入られるか、身心の衰弱が存すると見うけられれば後継に譲位する事が可能との条件を設ければと思いますが如何でしょうか。

992017/02

米大統領が巻起す異次元の政策

新しい年に入って一月が経ちます。この間の最大のニュースは何と言ってもトランプ大統領の矢継ぎ早の政策決定です。彼は良くも悪しくも有言実行を僅か十日の間に世界に示しました。

メキシコと米国の間に不法移民を阻止する為壁を構築する事、太平洋沿岸諸国が自己主張を抑えて経済の更なる自由化を計る為のTPPの参加拒否、米国に移住を求める外国人、特にシリア、イラン等中東の反米国の国民の入国禁止、又民間の自由な経済活動に横槍を入れ米国への投資の強要、外国からの輸入品への関税障壁の設置等々、これより先もトランプ大統領が強権を振回して米国の国益を第一にしての大統領令を発出するのか、予想もつけ難い状況になりつつあります。

しかしトランプ大統領にして見れば選挙期間中に発言した事を言行一致で行っているのだと言うことかもしれませんが、政治、それも外交は相手の立場をも忖度して双方にとって不満は残っても妥協点を見出すのが正当な方法で、今の米国のように他国の事は二の次、自国さえ良ければの現状を見るとこの先どうなるのか薄ら寒い、又陰鬱な気分になってしまいます。

米国は大国です、軍事的にも経済的にも。この裏付の下で米国は国際政治の上でも多大な影響力を発揮して来たし、これからもこの力で世界をリードして行く事は間違いありません。象の下にいる蟻とは言いませんが、好むと好まざるとに拘らず我国は米国の多大な影響下にあります。トランプ大統領が批判する様に我国は対米国との貿易では黒字基調にありますし、我国を含む東アジアの軍事バランスでは自由主義陣営は米国の存在なしでは安定は図れません。

安倍首相は二月の初めには渡米してトランプ大統領と会談する事になりましたが、氏に対し、ウイン・ウインの関係を示す重大な職責があります。

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