日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

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予算国会、日米の対比

米国は御承知の様に大統領制です。つまり大統領は国民の直接選挙により選ばれます。日本や英国のように先ず国会議員が国民に選ばれ、この選ばれた国会議員が首相を選び、間接的に国の最高権力者を決める制度とは違います。

一月二十八日から我国でも国会が開会され、最も重要な本年四月から一年間の予算審議が始まります。同様に米国でも新しい年に入ると大統領は今後一年の政府の内政、外交に対する施政方針を示す一般教書と、来年度予算(二〇一九年十月から翌年の九月まで)の編成方針を示す予算教書を発表します。

所で日本と米国の予算審議に関する決定的な違いは日本は内閣が予算提出権を持ち、国会が承認します。日本では多数党が内閣を構成しますから内閣と与党は一体で、政府の提出する予算案は少数与党でない限り常識的には国会の賛意を得る事が出来ます。

米国は一般に大統領の権力は絶大ですが予算に関してはその限りではなく、大統領は予算の編成方針を示す事は出来ますが、実際に予算を決める事の出来る編成権は国会にあります。つまり行政を司る大統領には法案提出権はなく、只予算への拒否権が認められているのです。道理でこの所、トランプ大統領が移民阻止の為の米国とメキシコの国境上の壁の建設に、二〇一九年度予算教書でこれから二年間に一八〇億ドル(一ドル一〇〇円にしても一兆八〇〇〇億円)を要求しているため議会に拒否され、一部の予算執行が停止しています。

予算案が議会の承認を得られなければ税金を使うことは叶いません。与党が絶対的数の日本では有り得ない一部予算執行停止から政府サービスが滞る状況が米国では起こっています。政治は妥協の作業です。これからトランプ政権はどう動くのでしょう。

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正しい統計は社会発展の基本

日本は、政治家は二流でも官僚は一流、そのお蔭で国は円滑に運営されていると言われて来ました。しかしどうもそうではなさそうです。昨年の財務省に関係する森友学園事件が一例ですし、現在国会で問題になっている厚労省に関係する統計偽報告も国を誤らせる事件です。

言わずもがなですが統計はその正確な数値を通して過去を知り、これから学んで現在の施策に活用し、より良い未来へ向けて万策を生み出すべく国政を誤らせない重要な武器とでも言えるものです。この統計が調査と復元処理の段階で歪められていたのですから誠にもって情けない話です。一流の文明国と自認する日本がこのていたらくですから我国を模範として日本に学べと若者を沢山送り出している開発途上の国(統計が信頼出来ない事が多い)に何とも顔を向ける事が出来ません。

今回の偽報は毎月勤労統計と賃金構造基本統計の二つがあります。後者は働く人の産業別、地域別賃金の差異調査でその方法が要請通りになっていなかった点で修正は難しくなさそうです。一方前者は明らかに働く人の懐、特に雇用保険や労災保険に関係しており、即ち彼等が弱者の立場になった時に使われる統計なのです。国会でこの統計問題が議論になってからまだ最終計算ではありませんが、既に延べ一九四二万人に総額二七六億円を雇用保険制度で、延べ二十七万人に総額二四〇億円を労災保険制度で支払うべき所を計上していなかったとの報告がなされました。これらの他にまだ船員保険制度、事業主向け助成金でも遺漏がありました。

これ迄の所、数字を誤魔化して統計を操作したのではない様ですが、もし国にとり都合の良い結果のみを選んで統計全体とするような事になっていたとしたらこれは絶対に許されない事です。

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