日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

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令和最初の国賓、米国大統領訪日

五月二十五日から二十八日の間、米国トランプ大統領と夫人が訪日しました。新しい御代令和になって初めての国賓です。

米国は建国からもうすぐ二百五十年になります。一方我国は六百四十五年の大化の改新後天武天皇が「天皇」を自称して以後、何とほぼ千四百年天皇制が続いています。今回の大統領の国賓としての来日には安倍首相が我国歴史の特異性を上手く利用しての外交ではないでしょうか。

と言うのは、何と言っても米国は政治的にも経済的にもその他諸々の分野でも世界でナンバーワンを誇り、これが彼の国の自尊心を大いにくすぐります。しかし、こと建国の歴史となると前記のようにどう逆立ちしても我国に比肩出来ません。米国には選挙で選ばれた大統領は存在しても歴史から生まれて連綿と続き今日に至る象徴としての天皇は存在しません。

日米両国の国の成り立ちと大統領制、天皇制の差異に関しトランプ大統領の高説を承った事はありませんが、私が思うに無いものに憧れるのは大統領と言えども例外では無いのではないでしょうか。それも新たに即位した天皇と最初に接見する機会を得た大統領にしてみれば、日本は米国への配慮を怠らない心配りの行き届く国との印象を強く持ったのではとも、私は思います。

国賓外交で日米関係が全て順調に行くとは勿論私は思いません。両国の前途には米中関係程では無いにしてもこれから貿易問題で一山も二山も越えなければならない場面が生ずるでしょう。又東アジアの安全についても更に米国は我国の防衛努力を強く求めて来るでしょう。そう言えば商売上手のトランプ大統領は安倍首相に一兆数千億に上るジェット戦闘機の百機以上の購入を約束させました。

外交は複雑です。しかし国賓外交は少なくとも平和的国事行為である事は確かな事実です。

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ボランティアも時には命がけ

我ふる里北九州の出身で医師のK君とは永年の付き合い、いや洒落た言葉で言うなら肝胆相照らす仲です。元ラガーマン、見るからに頑健、これに知性と教養、勇気と情熱、それに惻隠と寛厚、ともかく人柄が天下一品で男が男に惚れるとはこんな人を言うのでしょう。

彼は医務官として外務省の下でタンザニア、スーダンの大使館で永年勤務し、これらの国々での国民の厳しい医療事情を体験するに及んで生来の男気を発揮し、遂に外務省を辞し、自ら慈善団体を立ち上げてスーダンを中心に医療活動を始め今日に至っています。この団体の名は「ロシナンテス」、セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」に出て来る語で貧相な馬達とでも訳されるとか。

彼から先日緊急のメールが入りました。自分が支援要請をしに日本に戻っている間にスーダンの政情が不安定になり、若い女性の部下二人を現地に留めているので、早速国外脱出を指示したが、出国ビザが下りないので心配、どうすれば彼女達を安全な第三国に動かせるでしょう、との由。

旅行者が海外に出掛けその国から出国する時は出入国管理窓口で出国スタンプを押して貰えば事は済むのですが、スーダンは国内が混乱していて窓口業務が閉鎖中、出国ビザが無い外国人は航空機に乗る事は出来ないと言われ、この二人は途方に暮れていたのです。

「義を見てせざるは勇無きなり」と私はK君と一緒に早速外務省に陳情し、お嬢さん方の身体の安全と早急なビザの取得、そして航空機での国外脱出をお願いし、全て円滑に事が行き、二日後に元気な二人が帰国しました。

慈善活動も時にはこの様な不慮の事件に遭わないとも限らないのです。それでもK君はスーダンが落ち着けばすぐにでも出掛けると意気はいよいよ高いのです。彼の献身に頭が下がります。

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