日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

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世界をリードする日本人をもっと

正月明けに我が国の世界銀行国会議員連盟会長として渡米し世界銀行を訪ね、当行内の四つの組織、IBRD(国際復興開発銀行)、IDA(国際開発協会)、IFC(国際金融公社)、MIGA(多数国間投資保証機関)のうち後者の二つのオフィスに出向きいずれもの長と意見交換をしました。

日本人の国際社会での活躍は今一つ元気がありませんが、MIGAの長は嬉しい事に日本人です。又前任者も日本人、それも有能な女性でした。この組織の役割は世界銀行加盟の国々の民間企業が発展途上国での投資の折に直面するかもしれない政治的危機から生じる問題に保険を提供し、安心して事業が成就出来るように援助するのです。現長官は俣野氏で日本の民間銀行で国際派として活躍した人、年も丁度脂の乗り切った五十代なかば、柔和な言動が氏の人柄を現わしていました。つまりエリートに有り勝ちな目線の高さの無い、日本を代表して世界金融の為に働くに相応しい雰囲気の人でした。

世界の公的機関には所で何人位日本人が長として頑張っているのでしょう。調べて見るとMIGAの俣野氏の他、UNDRR(国連防災機関)、WCO(世界税関機構)、GEF(地球環境ファシリティ)の計四ポストで日本人がトップの地位で指導力を発揮しています。彼等の他にアジア地域ではありますが長のポストにある人が七人存在します。

日本は国際機関への拠出金は総計で米国、中国に次いで三位です。これは一応各国のGNPに応じて拠出することになっています。中国はこの所経済の伸びに従い拠出額も増えていますがそれ以上に目覚しいのが国際機関の長のポストの占有意欲です。食糧問題のFAO、民間航空を纏めるICAO、電気通信を司るITU、そして途上国の工業化を助けるUNIDO等重要な組織の長を獲得し更に増やす勢いです。日本ももっと国際人を輩出する努力をしなければいけません。

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コロナウイルスと人権

二月に入ってから何れのテレビ局のニュースのトップを飾るのはコロナウイルス問題です。又新聞でも同様です。この状態が変わる事なく三月に入っても続いています。それも我国のみならず百ヶ国にも及ぶ地球規模での感染症のニュースとして広がっていますから誠に厄介な病気です。

先ず隣国中国の湖北省武漢でこのウイルスは発生したと考えられています。しかし、つい一週間程前中国政府はこの発生源を自国と断定するのは承服し難いと発表しました。発生源が中国か否か声高に批判し合うのは現在においては生産的ではありません。このウイルスに感染している患者や陽性保菌者を早くそして全て見つけ出し、コロナを封じ込め、撲滅する事こそ各国政府が死に物狂いで行うべき施策です。

日本では「政府新型コロナウイルス感染症対策本部」が立ち上がり連日内閣閣僚が参集して対策を練り、実行して来ています。残念ながらこの折でも二、三の大臣がコロナ問題より自らの後援会活動を優先してヒンシュクを買いましたが…。

これ迄の所、政府のコロナウイルス対策は苦労しながら行われてきていると私は思います。しかし、ここで今一度私達が考えねばならないのは、この様な緊急事態の時の政府が国家権力を使って問題に対処するに当り、個々の人権擁護との間に対立が生じる場合がしばしば見られる点です。病人を隔離すべきは当然の事ですが、例えば先日の大型客船乗客の場合、誰も彼も下船禁止で行動の自由を奪うことに人権無視の批判もあります。

我国の憲法は人権を大いに尊重しています。しかし緊急事態の時でも平常時同様の人権尊重が認められるのが良いのかどうか。この点は安倍政権の憲法改正案の中の重要課題の一つです。コロナ問題を契機に、私達は緊急事態と人権の制約について規律を作る時かもしれません。

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