日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

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故中曽根康弘翁の印象

菅総理大臣が誕生し、恒例の所信表明演説が行われました。七年八ヶ月続いた安倍政権の官房長官として政策、政治手法を熟知している新首相ですから先ずは安倍後継を標榜し、理念ではなく具体的な施策を並べて、堅実な一歩をという姿勢です。

数えて見ると私が昭和六十一年(一九八六年)初めて国会議員になってから今期の菅首相迄十九人の宰相がその職に就きました。我国の首長の品定めをする様な失礼は慎まなければいけませんが、人それぞれ特長ある中で私が心に描く指導者の典型は、つい先日葬儀が内閣と自民党の合同で行われた故中曽根康弘翁です。百一才の高齢で亡くなりました。

人の評価では第一印象は大切です。米国のケネディ大統領が人気を博したのは若さと見てくれ、演説の上手さでした。しかしそれ丈で人の心を掴むのでもないでしょう。今日の中国の経済の繁栄の基礎を作った鄧小平中国共産党軍事委員会主席は誠に小柄で、標準語は話せず、服装にも頓着無しの人でしたが、誰と会っても人を魅了したそうです。

中曽根翁はと言うと押し出しもなかなか、演説も天下国家をぶち上げる、又対話の中に翁の知性教養がチラチラと見え、それを意図的か否かは判りませんが、言葉の端に示すのです。翁は新憲法下第二回の衆議院選挙に二十九才で当選より何時か宰相になることを志とし、学習も怠ることなく、又政界でもしばしば物議を醸す発言や行動をして、世間の耳目を引き付けるのを演出(?)したりもしました。

翁の言によればカント哲学を引用して「自らの内なる道徳律」に従って政治をし、日本の伝統と世界との関係を念頭に歴史を刻んで来たそうです。そして又晩年の俳句、「暮れてなお命の限り蝉しぐれ」で何時迄も日本を見守っていくぞの気概を示しました。政治家として誠に格好良い生き様だとほとほと感心します。

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コロナ禍の米国でバイデン氏大統領へ

私は朝型人間です。米国の東海岸と日本との時差は十四時間です。私は十時に就寝するようにしていますから、その頃向こうは朝八時。この時差の中で固唾を飲んで米国大統領選挙の行方に注目する眠れぬ夜を暫く過ごしました。

結果は御存知の通りバイデン氏が現職のトランプ大統領を激戦の末に敗って次期大統領予定者になりました。と言っても敗者が敗北宣言をし、勝者を讃え、勝者が敗者の健闘に敬意を表し、勝利宣言をする良き慣習が今回は未だ行われず、敗者が選挙違反で訴訟に持ち込む様相があるのでラグビーのような試合終了、ノーサイドの雰囲気にはどちらもまだなっていません。

米国の一大学がコロナが発生してより世界中のコロナ感染者数と死亡者数を毎日発表しています。この所米国は感染者は一千万人を越し、死亡者数は二十四万人近くでどちらも群を抜いて多いのです。人口世界一の中国はとうの昔にコロナ禍は収束しました。第二の人口のインドはコロナに苦しんでいますが、人口が米国の三倍以上でも感染者も死亡者も米国よりは少数です。科学先進国の米国はどうなっているのでしょう。

今回の米国大統領選挙の焦点の一つは明らかにコロナ禍を如何にコントロールするかでした。勿論それ以外にも人種差別に端を発する重大な国民意識の分断問題もありましたが、何しろこの感染症で日々千近くの人が亡くなるのですから全てに先んじて解決に取り組まなければなりません。

自由の国米国と声高に唱えてもまさかコロナに罹る自由を誇る無責任な人はいないでしょう。コロナ対策の初動を誤った米国でバイデン氏が見事な対応が出来れば国民の信頼と尊敬を得、国民意識の分断を協調へと改善出来る事でしょう。私は彼に期待しています。

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