日頃の思いを綴る 「すずきの通信」

毎月2回発行する「すずきの通信」 バックナンバー

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慰安婦問題裁判判決に思う

正月早々隣国韓国から嫌なニュースが入って来ました。御存知の元慰安婦の人達(原告)が日本国に対し提起した訴訟でソウル中央地方裁判所が一月八日「日本国政府は原告に対し損害賠償の支払等を命じる」と判決を出し、二十三日にこれが確定しました。被告(この件の場合は日本政府と思われる)が控訴しないので手続上判決が確定した事になりました。

と言っても実はこの裁判は韓国側の原告と裁判所による芝居とでも言うべき事で、国際法上国家は主権免除と言って被告が国家の場合外国の裁判権から免除されると規定されていますから今回の場合韓国の地方裁判所が我国を被告にして裁判を行う権限はありません。つまり韓国国内で原告が裁判に訴えても裁判所はその権限がないので却下するか、もしかしたらその責務は韓国政府にあり原告の意を体して政府は日本政府と交渉して下さいとしか言えないでしょう。

更に申し上げれば一九六五年に日本と韓国が日韓基本条約を結び、この条約の下での規定で両国間の財産・請求権は「完全かつ最終的に解決」と認識されております。つまり文字通りお互いが以後問題なしと決めたのです。とは言え後で新たに問題が起った時は両国間で話合いも可能ですし、結論が得られない時は第三者を入れて話合いも出来る事になっています。

慰安婦として青春を犠牲にした人達は言葉に表せない心身の苦難を経験したと同情を禁じ得ません。ですから二〇一五年には両国で慰安婦問題に関する合意を出し、十億円の基金の下で彼女達に償いをして頂く事になりました。一部の人はこれを了としましたが文政権になって基金活用を閉鎖して今日に至っています。

彼女達の心の傷は如何にしても消えないかもしれません。しかし日本政府は物心両面の補償に相当努力して来た事は確かです。

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ミャンマー民政から軍政に後退?

東南アジアのアセアン(ASEAN)十ヶ国の一員であるミャンマーは二〇一五年に民主的な選挙で軍政からアウンサン・スー・チー女史の率いる国民民主連合(NLD)が勝利を収めて以後一応安定した国造りをして来ました。

その中でもベトナム、カンボジア、ラオスは一党独裁とも見られる国の政体ですが、ミャンマーはスー・チー女史の絶大的人気で軍側を中心とする連邦団結発展党(USDP)を凌駕してNLDは二〇二〇年十一月の総選挙では前回以上の大勝利を得て、国政は更に民主化が進み発展するであろうと期待されていました。

所が青天の霹靂、二月一日軍が中心になってクーデターを起こし、スー・チー女史を最高顧問に据えるNLDの政権を停止させて仕舞いました。現在スー・チー女史は軟禁状態ですし、国政は軍司令室が掌握した型です。

米国を含む西欧諸国は即刻クーデターに反対し、一日も早く民主政権への権限の返還を求めています。一方ミャンマーに隣接する大国中国は民主政権成立以前の軍独裁の時からミャンマーに影響力を持ち、西欧諸国が独裁政権に対し経済制裁を科した折でもそれに加わらず、都合良く立回っていました。しかし民主政権になってからは対中より対西欧・日本の距離が近くなり、中国は面白くなかったでしょう。と言ってもミャンマーの貿易の三〇パーセントは対中国なのですが。

日本政府は軍事政権に対しスー・チー女史側に権力返還を求めてはいます。しかしその要求は西欧諸国程強くは無く、軍に遠慮がちの雰囲気です。軍に圧力をかけ過ぎるとカンボジアやラオスの様にミャンマーも中国の弟分になりかねないと心配するのです。中国の影響力に負けない我国の影響力を常日頃から涵養していなければなりませんが……。

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